お母さんへ
お母さん、お元気ですか?
家を出て、一番最初に思ったことは
「お母さんのご飯が食べたい」だったんだ。
自分でご飯を作り始めて、ようやくわかった。
お母さんが、毎日ご飯を作ってくれたことのありがたさ。
私にとっては、毎日テーブルに温かいご飯が並んでいるのは当たり前で
「ごはんよー」って呼ばれてもすぐに行かなかったりしたよね。
「美味しいね」「ありがとう」って言葉なんて、思いつきもしなかった。
温かいものを、温かいうちに食べてほしい。
その想いも、作る側になって初めてわかったよ。
ごはんだよって呼んでも彼がなかなか来なくて、ご飯が冷めてしまったことがあったの。
せっかく出来立てを食べてもらおうと思って用意したのに!!ってイライラしてたんだけど、「あ、私もやってたー・・・」と気付いて、しゅんとしました。
彼のこと、怒れないや。笑
ずっと気付けなかったお母さんの想いを、離れてからは毎日のように見つけるよ。
ピカピカの洗面台、畳まれた洗濯物、温かいご飯、毎朝のお弁当、ふわふわのタオル、ふかふかの布団、いってらっしゃいおかえりなさいという言葉・・・
”当たり前”に生きてきた毎日のなかで、どれだけ自分が大切にしてもらっていたのかを、ようやく見つけられました。
この前、食材も作り方もものすごくこだわっているお店に行ってきて、もちろんどのお料理もとっても美味しかったんだけど・・・
帰り道に思ったの。
お母さんは、料理上手くないし、いつも同じ物しか作れないって言うけど
私にとっては、世界で一番、優しくてあたたかい味。
私を育ててくれた味。
今度帰ったときには、美味しい!ってうるさいくらい言うと思うけど(笑)
いつものテーブルで、いつものご飯を、よろしくお願いします。
追伸
家を出て、初めて作ったのは肉じゃがでした。
お母さんの肉じゃが、食べたいな。
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