プリンスエドワード島・母娘旅②

【2日目】

ルルルル ルルルル ルルルル・・・

遠くから聞こえてくる部屋の電話の音に反応して、ぼんやりと目が覚めて時計を見た瞬間…

「え…?10時!!???」

とりあえず飛び起きて電話に向かって猛ダッシュ!!


はい、寝坊です。笑


9:45集合。すでに15分遅れ。

私は大急ぎでツアー元の会社に電話し、結局コテージまで来てくれたガイドさんに寝起き姿のまま謝って、ツアーはドタキャンさせてもらいました。


寝坊の原因は、時差を考えずに携帯のアラームをセットしてしまったこと。マイナス12時間の時差があるため、日本時間8時にセットされたアラームはPEIでは20時に鳴ります。泣


朝ごはんも10時までだったので食べれず、ツアー参加者の方を待たせてしまったこともあり、母のテンションは急降下。

ですがせっかくの旅行、とりあえず腹ごしらえしよう!と気持ちを切り替えたのはよかったけれど、ここで次の問題が…。


キャベンディッシュは小さな村で、しかも6月初めはまだオフシーズン。アンの観光施設以外はほぼクローズ状態。近場にコンビニもスーパーもありません。



ということで、バスケットのお菓子・ジュース・オレンジが朝ごはんになりました。オレンジをこんなに美味しく感じたことはなかったかもしれない。笑


ちなみにジュースはラズベリーコーディアル(いちご水)。アンがダイアナをお茶に呼んだとき、いちご水と間違えて葡萄酒を出してしまったという話から。炭酸のいちごジュースでさっぱり美味しかったです。


前置きが大変長くなりました。寝坊があまりにも衝撃だったので、このエピソードは残しておかねばと。笑


お腹と気持ちを落ち着かせて、私の10年前の記憶ともらった地図を頼りに、キャベンディッシュ村散策に出かけます!


ここからは写真を中心に、アンの世界をお伝えしていきます。



まずは宿泊先のB&B。”Kindred Spirits(訳:腹心の友)”といいます。写真の建物は受付ロビーと朝食会場。まるで絵本から出てきたような可愛らしさです。


「ダイアナ、あたしをすこしばかり好きになれると思って?あたしの腹心の友となってくれて?」

「ええ、なれると思うわ。あんたって変わってるわね、アン。変わってるってことは前から聞いてたけれど、でもあたし、ほんとうにあんたが好きになりそうだわ」
『赤毛のアン~第12章 おごそかな誓い~』



なんといっても旅のメインはグリーンゲイブルズ。家の前にはちょうど満開のリンゴの花。「でも物語では桜の木だったよね~」と一応突っ込んでおきました。笑



こちらがアンの部屋。マシュウにプレゼントしてもらった袖のふくらんだドレス、取っ手の取れかけたカバン、ギルバードの頭で割った黒板など、物語のかけらがあちこちに。



マリラの部屋は、整理整頓されていてシンプル。しっかり物のマリラの性格が伝わってくるようです。奥の机にはピクニック事件の紫水晶のブローチも置いてありました。


グリーンゲイブルズ裏手にある恋人の小路。曇っていたので雰囲気が寂しげでしたが、晴れてたらきっと素敵なんだろうなぁとアンを真似して想像力を働かせます。笑


道中、ガガガガガガって工事現場みたいな音がしてびっくり。見渡したら、キツツキが看板をすごい勢いで突いていて、母と大笑いしました。

(あとで調べたら大きな音を出すことは求愛行動らしい。木より金属、賢い!笑)



お化けの森。大きくうねった松が雰囲気を盛り上げます。まつぼっくりも特大サイズ。しかもここを抜けると墓地に出ます。夜にこの道を通ったら、たしかに怖そう。。



国立公園のキャベンディッシュビーチ。B&Bから森の中の小路を抜けて、徒歩15分で行けます。夏は海水浴の人たちで大賑わいだそうです。この日はとにかく風が強くて波が高かった!白波の高さ、写真で伝わるかな。



公園内にはトレイルロードが整備されています。砂利道でもアスファルトでもなく、驚くほど歩きやすい。とっても気に入ってしまい、翌朝も早起きして散歩しました。


「この風景の中に、緑が100種類以上あるよね!」とあまりに現実離れした景色に2人でハイテンションに。笑

花の咲き乱れる季節ではなかったけれど、新緑がこんなにも美しいことに感動しました。



リンゴの木は島のあちこちに自生していて、今がちょうど見頃。青森のリンゴはきちんと選定されていて、花も可憐で控え目な印象でしたが、PEIのリンゴは野生で力強い。


満開の木は白い花で埋め尽くされていて、リンゴ並木を"歓喜の白路"とアンが名付けた意味がわかった気がします。


「きれい?あら、きれいなんてのはあれにぴったりする言葉じゃないわ。美しい、でもいけないし、どっちも言いたりないわ。ああ、すばらしかったわ。すばらしかったわ。想像をつけたすことのできないものなんて、これがはじめてよ」

『赤毛のアン~第2章 マシュウ・クスバートの驚き~』



夜はサンセットツアーに申し込んでいたので車で海岸に向かいました。コロコロ変わるPEIの天気にドキドキでしたが、この日はとても美しい夕日が迎えてくれました。


PEIの日の入はなんと21時!夏にかけてまだ遅くなるそうです。さすがバカンスの島。1日も自然と長く感じます。



3日目はキャベンディッシュとお別れして、島めぐりプライベートツアーです!

寝坊しないようにと、母と入念にアラームをセットして寝ました。笑


なんでもない日にいらっしゃい

好きなこと、大切なことの記録

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