バスソルトとたい焼き
彼が週末出かけたお土産に、バスソルトを買ってきてくれた。
こういう何気ないお土産って、なんでこんなに嬉しいのかなぁと思う。
ふと目に付いたとき、手に取ったとき、相手のことを思い浮かべていたってことだからかな。
お土産そのものも嬉しいけど、そのときの気持ちを想うと、何倍も嬉しくてあったかくなる。
お土産で思い出したのが、父がいつか、たい焼きを買ってきてくれたこと。何度目かの転職のとき、会社の近くにたい焼き屋さんがあったらしい。
なぜか、家族全員分+明日の朝分のたい焼きまで。笑
そしておまけに、ちいさなミニたい焼きがコロコロと何個か入っていて、私と妹でパクパクっとご飯の前に食べてしまっていた。
初めてミニたい焼きを見たとき、かわいい〜!と賑やかに喜んだ。父は、「おまけにって入れてくれたんだよ」となんだかすごく嬉しそうだったのを覚えている。
それが功を奏したのか、それ以来ちょくちょく、たい焼きをお土産に買ってきてくれた。
家のストーブの上で、カリッと焼いて食べるのが冬の楽しみに加わった。
たい焼きはもちろん好きだったけど、父の嬉しそうな顔が、今でも忘れられない。
通勤は2時間近くかかっていて、仕事も辛い時期だったはず。会社の近くで買って、大量のたい焼きを持ち帰ってきてくれてたんだなぁと、今ようやくそんな父の想いを、考えられる年齢になった。
お土産を買うときは、渡す相手のことを想っている。それが形になって、受け取る人に届く。
想いは形に隠れて、気づかれないかもしれないけれど。忘れられてしまうものが、ほとんどかもしれないけど。
あの頃の私も、たい焼きわーい!だったしなぁ。笑
贈る人を想う時間が、すでに贈り物なのかもしれないって、そう思えるくらいには大人になったのかな。
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